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2012 年度 実績報告書

長期的な出生率推移の決定要因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730241
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

木村 匡子  名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (90546730)

キーワード出生率 / 世代重複モデル
研究概要

本研究の目的は、長期的な出生率の推移を説明することができる経済成長モデルを構築し、出生率変化の背後にあるメカニズムを明らかにするとともに、出生率を変動させるいくつかの要因の重要性を量的に評価することである。今年度は、前近代から現代にいたる出生行動の変遷についてマクロ・データとミクロ・データの双方と整合的である内生的出生モデルを用いた数値分析を進展させた。
分析対象である17世紀から20世紀のイギリスのデータや資料を検討したところ、前年度に行ったカリブレーションやシミュレーションの結果は、公共政策支出水準と他のパラメータの関係などいくつかの点においてイギリスの歴史上の事実と整合的でないことが判明した。パラメータ間の関係などが事実と整合的になるようにモデルをカリブレーションし直しシミュレーションを行った結果、所得と子ども数の関係の変化や出生率の逆U字型の推移の再現といった前年度から得られていた結果に加えて、出生率の変化量などに関してモデルと現実との適合度が以前よりも高い結果を得ることができた。これらの成果を論文としてまとめ、ディスカッション・ペーパーとして発表した。
本研究は、義務教育のような公共政策の存在やその変化が人々の出生行動に影響を与え、その結果として長期的な出生率の変動にも影響を与えてきたことを明らかにした。現在のモデルでは外生変数として扱われている公共政策支出水準が人々の選好に基づいて内生的に決定されるような拡張を行うことが今後の1つの課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 転職の誘因と転職による賃金変化―KHPSを用いた検証2013

    • 著者名/発表者名
      木村匡子・照山博司
    • 雑誌名

      日本の家計行動のダイナミズム9 家計パネルデータから見た市場の質

      巻: - ページ: 239-265

  • [雑誌論文] Public Policy and the Income-Fertility Relationship in Economic Development2012

    • 著者名/発表者名
      Masako Kimura and Daishin Yasui
    • 雑誌名

      KIER Discussion Paper Series

      巻: 834 ページ: 1-36

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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