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2011 年度 実施状況報告書

FTAの形成が貿易自由化に与える影響に関する理論研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730251
研究機関東海大学

研究代表者

野村 良一  東海大学, 政治経済学部, 講師 (60465599)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードFTA / 貿易政策 / 関税
研究概要

2011年度の達成目標の1つは、FTAの形成が貿易自由化を促進するかを考察するための基本モデルを構築することであった。 はじめに、これまでの研究を踏まえ、市場規模に関する非対称性が存在する場合に、2国間のFTAの形成がMultilateral Free Trade (MFT)を促進するか否かを検討した。各国の市場規模が異なる場合、はじめに市場規模の大きい国がFTAを結んだ場合のみOverlapping FTAsの形成を通じてMFTが実現すること、また既存のFTAに域外国を加えるというExpansion of FTAではMFTは実現しないことを示した。以上の結果は、海外の査読誌に投稿中である。 次に、FTAが、当初は対称的な国の間で結ばれてきたが、近年は非対称的な国の間での締結が増加しているという事実に着目し、市場規模が同一の2国と市場規模が異なりうる1国からなら3国モデルを用いて、対称的な国同士のFTAの形成がMFTの実現に寄与するかを検討した。主として、(1) 3国の市場規模が対称的な場合、Expansion of FTAによってMFTは実現するが、Overlapping FTAsでは実現しない、(2) 当初のFTA締結国に比して、非加盟国の市場規模が小さい場合は、Overlapping FTAsでMFTは実現する、(3) 非加盟国の市場規模が大きい場合には、Expansion of FTAではMFTは実現しうるが、Overlapping FTAsでは実現しない、という結論を得た。これらの結果は、FTAの形成がMFTを実現するかを考えるうえで、交渉国の市場規模や、FTAの拡大の在り方が重要であることを示唆している。以上の成果に関して、2011年の日本国際経済学会での報告を踏まえた改訂を行っており、関連する海外査読誌に投稿予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目の研究成果として、研究課題に取り組むための基本モデルを構築したうえで2本の論文に取り組み、1つの論文は投稿中であり、もう1つの論文は学会発表を行い、投稿準備中であることが挙げられる。ただし、対称的/非対称的な市場の両ケースを完全に統一して取り扱うモデルの構築には至らなかった。その意味において(2)の状況に相当すると判断した。

今後の研究の推進方策

はじめに、「9.研究実績の概要」で述べた論文の改訂・投稿作業を行うとともに、市場規模に関して対称的/非対称的な両ケースを扱うことのできるモデルを構築し、2012年度内での論文の完成・投稿を目標に取り組む。その後、企業間の生産技術格差の導入に取り組む。

次年度の研究費の使用計画

2012年度の直接経費50万円のうち、書籍を中心とした物品費として10万円、学会参加・共同研究に関する打ち合わせのための旅費として25万円、英文校閲・投稿料として10-15万円を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 逐次的技術選択とSecond Mover Advantage2011

    • 著者名/発表者名
      野村良一
    • 雑誌名

      東海大学紀要 政治経済学部

      巻: 43 ページ: 105-117

  • [学会発表] Expansion of FTA, Overlapping FTA, and Market Size (with T. Ohkawa, M. Okamura, and M. Tawada)2011

    • 著者名/発表者名
      R. Nomura
    • 学会等名
      日本国際経済学会 第1回春季大会
    • 発表場所
      龍谷大学
    • 年月日
      2011年6月

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公開日: 2013-07-10  

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