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2011 年度 実施状況報告書

空間経済学の新しいアプローチ―理論,構造推定,カウンターファクチュアル―

研究課題

研究課題/領域番号 23730254
研究機関日本大学

研究代表者

村田 安寧  日本大学, 大学院総合科学研究科, 准教授 (40336508)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード空間経済学 / 所得効果 / 価格競争効果 / 企業淘汰効果 / 輸送費用 / 通勤費用 / 構造推定 / カウンターファクチュアル
研究概要

平成23年度は,所得効果,価格競争効果,企業淘汰効果を考慮した独占的競争の一般均衡理論を構築した。はじめに,所得効果,価格競争効果を考慮したBehrens and Murata (2007)のモデルに企業の異質性を導入し,企業淘汰効果を導出した。企業の生産性は,Melitz and Ottaviano (2008)にしたがって,参入後に判明するパレート分布の実現値で表現した。その後,空間的摩擦を導入し,多地域モデルを構築した。都市間の輸送費用と都市内の通勤費用は,Murata and Thisse (2005)と同様にiceberg 型と仮定した。消費者の居住地選好の異質性は,Tabuchi and Thisse (2002)やMurata (2003)のように二重指数分布の実現値で捉えることにした。このように構築された空間経済モデルの比較静学分析を行った。多地域モデルの特殊ケースである単純な2地域モデルの枠組みで,都市規模の決定要因となる集積力と分散力を理論的に明らかにした。さらに,輸送費用と通勤費用の低下が,各都市の人口,地代,賃金,マークアップ率,生産性,効用に与える影響を定性的に分析し,これらの変数が都市間で収束する傾向にあることを明らかにした。2地域モデルの解析的結果は,多地域モデルに基づく構造推定やcounterfactual分析の結果を解釈するうえで重要な役割を果たすことになるだろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画どおりに理論分析を終了できたため。

今後の研究の推進方策

平成23年度に構築した理論に基づいた構造推定やcounterfactual分析を通じて,さまざまな政策効果を明らかにする。特に,都市内の通勤費用や都市間の輸送費用の変化が,均衡における各都市の人口,地代,賃金,マークアップ率,生産性,効用に与える影響を定量的に分析する。さらに,通勤費用や輸送費用を捨象した仮想的な均衡と,それらが存在する実際の均衡をそれぞれ定量化することにより,ヒトやモノの移動における摩擦の役割を空間経済学の枠組みを用いて明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度に構築した理論が解析的に分析できたため,設備備品費を削減できた。次年度の研究費は,主に構造推定,counterfactual分析を効率的に遂行するための設備備品費,学会報告・研究討議などを目的とした国内・外国旅費に使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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