研究課題/領域番号 |
23730256
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大堀 秀一 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (70378959)
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キーワード | リサイクルシステム / 耐久消費財 |
研究概要 |
初年度に続き、市場の垂直的関係の下での経済主体間の相互依存関係を考慮した場合の、容器包装廃棄物の回収とEPRの関係を、経済効率性、環境改善性及び経済主体間の公平性の観点から分析を進めた。前年度は引き続き、容器包装廃棄物の回収と拡大生産者責任(EPR)の関係の実態を把握するため、資料収集に努めた。また、拡大生産者責任に関する理論分析の過去のサーヴェイを行った。特に、拡大生産者責任を理論化する際には、事例により自動車や家電などの耐久消費財を取り上げることが重要であり、製品差別化モデルが有効であると考えた。そして、容器包装廃棄物の回収・分別の責任所在をそれまでの公的事業者から、生産者間で設立される私企業に移されることは、生産者間の共謀を意味し、そうした共謀が、生産・販売‐消費‐廃棄物処理・リサイクルといった垂直的関係における各経済主体間の戦略的相互依存関係にどのような影響を及ぼしているかを考察することが重要であるとの認識に至った。 以上のことを踏まえて、拡大生産者責任の理論分析に継続的に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に引き続き、拡大生産者責任政策に関する事例収集及び先行研究のサーヴェイを行い、拡大生産者責任の理論分析の準備を進めた。そこで、垂直構造の下での耐久消費財の分析が拡大生産者責任政策の理論化に応用が可能であることを見出し分析を進めてきたが、論文を学術誌に投稿するまでには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後においては、前年度において収集した事例と予備的な理論研究を基礎として、市場の垂直的関係の下での拡大生産者責任政策の望ましいあり方について考察する。具体的には、耐久消費財が再製品化される際に、アフターサービス分野で生産者が共同で出資し運営する組織が生産・販売‐消費‐廃棄物処理・リサイクルといった垂直的関係における各経済主体間や経済厚生にどのような影響を与えるのかを、経済効率性及び環境改善性について理論的に分析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
参加予定だった学会に諸事情で参加することができなかったため、繰越金が発生した。 次年度においては、研究の経過報告及び成果報告をするために、国内外の研究会及び学会へ参加するための研究費を使用することを検討している。
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