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2012 年度 実績報告書

報酬体系の行動経済学的理論研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730259
研究機関関西学院大学

研究代表者

大洞 公平  関西学院大学, 経済学部, 准教授 (70388354)

キーワードモラルハザード / チームインセンティブ / 参照点依存型選好 / 業績評価
研究概要

最終年度は、本研究課題の中心的テーマである、エージェントの損失回避的性向を考慮した場合における、複数エージェントのモラルハザード問題についての研究を引き続き行った。期待に基づく参照点依存型選好を考え、参照点を内生化するようにもモデル化を行い、エージェントが成功した時だけでなく失敗した時にも報酬を与えることが望ましくなる可能性を示した。特に、同じ組織内のメンバーのうち一定割合以上が成功している状況においてそのような報酬が好ましくなることを示した。これは、損失回避性向を考慮した故の結果であり、契約理論で通常想定されるような損失回避性向からは導出しえない結果である。これに対する事例を探すとともに、理論の精緻化を行った。
また、この研究に関連する新たな研究として、エージェントが期待に基づく参照点依存型選好を有する場合における、最適な職務割り当ての問題についても研究を行った。将来起こりうる状況に不確実性があり、状況によって職務を遂行するエージェントが異なるケースを考える。もし、将来の状況に依存した契約をかけるのならば、それぞれの状況においてもっとも生産性の高いエージェントに職務を割り当てるような契約を書くことが最適である。しかし、エージェントが損失回避的性向を有する場合には、状態に依存しない契約、つまり、常に特定のエージェントに職務を割り当てる契約が最適になることを示した。取引費用などの問題で通常考慮されるような要因がなくとも、損失回避性向により、状態に依存しない契約の最適性を示した点も一つの貢献である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Task Assignment under Agent Loss Aversion2013

    • 著者名/発表者名
      Kohei Daido
    • 雑誌名

      Discussion Paper Series, School of Economics, Kwansei Gakuin University

      巻: 103 ページ: 1-15

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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