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2014 年度 実績報告書

保険市場における情報の非対称性に起因する厚生損失の計測

研究課題

研究課題/領域番号 23730261
研究機関明治学院大学

研究代表者

斉藤 都美  明治学院大学, 経済学部, 准教授 (00376964)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード情報の非対称性 / 自動車保険 / 年金 / 中小企業金融 / 逆選択 / モラルハザード
研究実績の概要

本研究課題では、保険市場において情報の非対称性が果たす役割についての実証研究を行ってきた。既存研究では、保険市場において逆選択やモラルハザードが存在するかどうかの「テスト」を行ってきたが、本研究課題では、それらによる厚生損失がどの程度発生しているか、またそれらを改善するための望ましい政策のあり方について新たに検討を行ってきた。
次の3つの分析対象を扱ってきた。
一つ目は自動車保険データである。3万件の個票データを利用して、リスクとリスク回避度を同時に推定するモデル(Cohen and Einav (2007)AER)を推定し、その結果を米国の結果と比較してきた。本分析はまだ継続中であるが、アンケート調査などではなく保険の選択行動から数値的に明らかにしてきた点に本研究の貢献がある。また米国の研究結果と比較することで、日本人と米国人のリスク回避度の違いを同じ条件で比較することが可能となることから、日米の資産選択行動の違いなどをリスク回避度の観点から説明することを試みている。
二つ目は年金である。Einav and Finkelstein(2010, JEP)の手法を応用して、年金の未加入・未納問題における厚生損失を分析してきた。これにより男女それぞれについて厚生損失がどの程度であるかを具体的な数値として提示した。
三つ目は中小企業金融である。中小企業金融においては信用保証が利用されることがあるが、中小企業のデフォルトリスクについての情報の非対称性は、効率的な資源配分を阻害する可能性がある。信用保証制度における逆選択やモラルハザードの可能性について、銀行データを用いて分析を行ってきた。
以上3つのテーマについて分析を行ってきた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Information Asymmetry in SME Credit Guarantee Schemes: Evidence from Japan2014

    • 著者名/発表者名
      Kuniyoshi Saito and Daisuke Tsuruta
    • 雑誌名

      RIETI Discussion Paper

      巻: 14-E-042 ページ: 1-39

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Information Asymmetry in SME Credit Guarantee Schemes: Evidence from Japan2015

    • 著者名/発表者名
      Kuniyoshi Saito
    • 学会等名
      World Finance & Banking Symposium in Singapore
    • 発表場所
      Nanyang Business School, Singapore
    • 年月日
      2015-12-12 – 2015-12-13
  • [学会発表] Information Asymmetry in SME Credit Guarantee Schemes: Evidence from Japan2015

    • 著者名/発表者名
      Kuniyoshi Saito
    • 学会等名
      Western Economic Association 11th International Conference
    • 発表場所
      Museum of New Zealand Te Papas, New Zealand
    • 年月日
      2015-01-11

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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