本研究では、各ペアの国や地域の間で財の輸送費用が異なる(非対称である)という経済を想定した理論モデルを構築し、企業立地や政策効果について分析した。 本研究はふたつに分けられる。複数地域が存在する国内の各地域の輸出に関する分析と、第三国との距離が異なるふたつの国の間で企業への補助金競争を行うもとでの企業立地についての分析である。いずれの場合においても、非対称な輸送費用の下では、企業立地は外国(第三国)からの輸送費用に影響しており、経済状況の変化が各地域の生産構造に与える効果は距離によって異なることが明らかになった。
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