研究課題/領域番号 |
23730279
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
関 耕平 島根大学, 法文学部, 准教授 (10403445)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 鉱山閉山地域 / 地域再生 / 非鉄金属鉱山 / 環境再生 / 休廃止鉱山 |
研究概要 |
本研究は、非鉄金属鉱山が立地していた地域(鉱山閉山地域)における地域問題の分析を焦点に据え、(1)全国の鉱山閉山地域を分類・類型化する基礎的な研究を通じ、(2)閉山前後から現在に至るまでの地域変遷を明らかにした上で、(3)地域再生および環境再生にむけた政策モデルを提示することを目的としている。 今年度の研究計画に記載していた通り、(1)で挙げている、鉱山閉山地域の分類・類型化による実態把握(地域変遷および政策)を中心に実施することができた。とくに事例研究や資料(財政数値の変化:決算書や閉山対策、地域振興策などの行政資料)収集を積み重ねることができた。具体的には、鉱山地域における地域統計をはじめとした資料の収集と複写と入力、聞き書きによる地域の変遷を明らかにする作業を実施した。 これにより全国の鉱山閉山地域を、(1)鉱山立地以前の地域社会・経済の構造、(2)閉山後の地域における社会問題の位相、(3)自治体財政を中心とした政策展開、の三つの視点(指標)を基礎にして分類・類型化の準備作業を行った。これらによって、鉱山閉山地域社会の変遷における共通性・一般性、ならびに地域毎の差異を明らかにし、地域再生政策体系の提示へむけた研究の基礎的作業に着手した。 3つの調査地域を実施したが、とくに高知県の白滝鉱山について重視し、財政資料収集をはじめとした地域関連資料を入手し、貴重な証言についても得るなど、白滝鉱山においては想定以上の進展を見ることができた。この調査結果については、聞き書き資料としての紀要掲載を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料収集の面において十分な成果を上げることができている。これを基にした成果の公表についても、研究会を積み重ねレビューを受けていることから、進展していると評価できる。 今後は、聞き書きを研究ノート等として発表するなどの具体的な成果を目指して作業を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現時点での到達を基礎として、計画通り推進する。 具体的には以下のとおりである。1)対象地域を拡大し、調査や資料収集を重視する。2)地域類型や具体的な地域変遷を中心とした成果の公表を行う。3)閉山後の政策について、全国的な概況についての調査を強化する。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費とともに、データ入力作業謝金などが増大する予定である。
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