• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

アジアの中央銀行における国際的マクロ経済ショックへの対応と為替介入

研究課題

研究課題/領域番号 23730282
研究機関大阪市立大学

研究代表者

久保 彰宏  大阪市立大学, 経済学研究科(研究院), 特任助教 (90554882)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードオープンマクロ経済学 / 金融政策 / 為替介入 / グローバルショック / 多国籍
研究概要

当該年度は,本研究の中心となる開放マクロ経済モデルの構築およびベイズ推計を用いた分析に重きを置いた。その際,IMF型のsemi-structuralモデルを用いて,まずはタイのケースについて本研究のベンチマークとなる論文(Monetary Policy and Foreign Exchange Intervention in a Small Open Inflation-Targeting Country)の執筆を行った。当初の目的通り,為替レートの変動ショックが政策金利や国内のマクロ経済変数にどのような影響を与えているのかを分析するとともに,外国為替市場への介入についてもその可能性を検証したものである。初稿を日本経済学会やタイ中央銀行で報告,改善を続けながら,ひとまず海外査読雑誌へ投稿に至った。 また,韓国やフィリピンのケースについても基本となる分析を一旦完了し,さらなる比較検証のために同様の政策レジーム(インフレーション・ターゲティング)を採用している先進国(英国やオーストラリア,ニュージーランド,カナダ)および新興市場国(ブラジルやチリ,イスラエル,南アフリカなど)のケースについても分析を開始した。使用データにはグローバル金融ショックを含めているため,金融危機時の各国の政策対応比較が可能となる。 なお,予備的検証として,アジア諸国の為替レート変動要因を時系列モデル(共和分検定およびVARモデル)によって分析していた研究は,数度の改訂を経て,海外査読雑誌へ投稿,現在は修正稿審査待ちの状態にある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の根幹となりうるIMF型のsemi-structuralモデルの構築およびベイズ推計を用いた分析の修得が予想以上に進み,研究の定量的側面については充実している。一方で,当該年度に予定していた関連論文の収集および分析対象国研究者との接触など定性的側面で研究が遅れている。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画通り,最終的に各国の為替介入の効果を検証すべく,定量的分析を実施していく。同時に,金融政策を表すテイラールールにインフレおよび生産に加えて為替レートを含めた検証を試みる。したがって,これまで以上にシミュレーション実験に時間が割かれると予想される。ただし,定性的分析の遅れを取り戻すために,各国研究者との意見交換の場をアレンジしていくことも積極的に行いたい。

次年度の研究費の使用計画

データの整備やより大量の推計を予定しているため,PCおよびソフトを含めた物品の購入額が大きくなると思われる。ただし,当該年度から次年度へ繰越している研究費はちょうど次年度の物品購入にあてがわれる。旅費やその他の科目はおおむね変更はない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Exchange rate dynamics and the effects of foreign exchange intervention in a small open semi-structural model: Evidence from Thailand2011

    • 著者名/発表者名
      久保彰宏
    • 学会等名
      日本経済学会
    • 発表場所
      熊本学園大学
    • 年月日
      2011年5月21日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi