研究課題/領域番号 |
23730282
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
久保 彰宏 富山大学, 経済学部, 准教授 (90554882)
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キーワード | オープンマクロ経済学 / 金融政策 / 為替介入 / グローバルショック |
研究概要 |
本年度は、まず予備的検証として,アジア諸国の為替レート変動要因を時系列モデル(共和分検定およびVARモデル)によって分析していた研究論文(The US tech pulse, stock prices, and exchange rate dynamics: Evidence from Asian developing countries)が海外査読雑誌(Journal of Asian Economics)に受理され掲載された。また,本年度は,主要分析における分析対象ごとのIMF型DSGEモデルを構築させるとともに,比較的早い時期に為替介入のマクロ経済効果について分析を完了させることを研究の第一目標としていたが,前年度に執筆した本研究のベンチマークとなる論文にそれらの拡張研究を加え,国内外の学会(例えば、日本経済学会秋季大会やThe 27th Conference of the American Committee for Asian Economic Studies)で報告を行い,ワーキングペーパー(Foreign Exchange Intervention in Small Open Inflation-Targeting Countries: Evidence from Thailand)として公表した。 なお,研究対象をアジア諸国のみならず,先進国および途上国の区切りなく政策フレームワークの共通する国々に広げ,比較検討することで政策含意を導き出すことに加え,世界金融危機時のデータを用いて,中央銀行における為替レートへの一時的な対応についてもシミュレーション分析を概ね完了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的の一つである情報通信産業を中心としたFDIやポートフォリオ投資の流出入,国際的金融ショックが各国為替レートに与える影響を精微に検証することが海外査読雑誌受理および掲載をもってひとまず達成された。 また,本研究の根幹となりうるIMF型のsemi-structuralモデルの構築およびベイズ推計を用いた分析は概ね終了している。一方で,昨年度に続き、本年度も予定していた関連論文の収集および分析対象国研究者との接触など定性的側面での研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り,アウトプットを中心とした研究のとりまとめに入りたい。しかしながら,追加的検証の必要などから,引き続き政策シミュレーションの実施を対象国について行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
定量的検証を追加する必要性から物品の購入が増加する可能性もある。ただし,研究報告の機会を十分に確保するため旅費に関しては概ね変更はない。
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