本研究では,インドネシア製造業を例に挙げ,グローバリゼーションが途上国企業のパフォーマンスにもたらす影響について統計的な分析を行った。そのために整備されたデータベースを用いて分析を行った結果,(1)直接投資,つまり,外資系企業の参入は,地場企業の生産性に対して正の後方連関効果だけでなく前方連関効果も持つこと,(2)中間財関税率の削減は多国籍企業の技能集約度を低減させ,生産労働者と非生産労働者との賃金格差を縮小させる効果を持つこと,(3)輸入浸透率や輸出志向度の上昇が企業の生産規模にもたらす影響は,企業の大小には依存しないことなどが示された。
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