本研究では、人口構造変化と異世代間移転に注目し、個人の意思決定が他の人々の行動に依存する戦略的意思決定が異世代間移転を決定するメカニズムを家計内で行われる私的な異世代間移転の側面から検討した。その結果、①夫婦間で家計内公共財の自発的供給を実施する経済において、家計内公共財の供給は非効率となるが、その原因を夫婦が結婚する前に非協力に実施する教育投資に原因があることを解明し、教育政策を通じて効率的な家計内公共財供給が達成可能であること。②人口構造が高齢化してゆく社会において、医療政策は現在世代(将来世代)の社会厚生を改善(悪化)させること。をそれぞれ明らかにした。
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