研究課題/領域番号 |
23730302
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
江阪 太郎 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60347515)
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キーワード | 国際金融 / 為替制度 / 経済パフォーマンス / 通貨危機 / 内生性問題 / マッチング法 / ミクロ計量経済学 / 資本自由化 |
研究概要 |
本研究の目的は、様々なデータ、最新のミクロ計量経済学の手法を用いて、為替制度選択の経済パフォーマンスへの影響を分析することである。またその時に、為替制度選択の内生性問題を明確に考慮して分析を行う。最終的な目標は、様々な為替制度の系統的な特徴を明らかにし、有益な政策的インプリケーションを提供することである。 本研究の研究期間を3年として、2年目では、1年目に整備したデータと研究した分析手法を用いて、主に実証分析を行い、"Are consistent pegs really more prone to currency crises?"のタイトルの論文を作成した。本論文では、各国が公表した為替制度から実際に採用していた為替制度の乖離(一致)が通貨危機発生に影響を与えていたかを検証した。その時、為替制度選択におけるセルフセレクション・バイアスを除去するために、the bias-corrected matching estimatorsを用いて分析した。分析結果によれば、Consistent pegs政策(公表した固定相場制を実際にも採用する政策)は他の為替政策に比べて、通貨危機発生確率を統計的に有意に低下させていた。本論文は、 Kobe City University of Foreign Studies Working Paper Series No.44で公開されている。研究代表者は、本論文を日本金融学会2012年度春季大会で発表した。また査読付き国際雑誌に投稿して、エディターからrevise and resubmitの返答を受けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目の研究計画では、1年目に整備したデータと研究した分析手法を用いて、主に実証分析を行い論文を作成することであった。その計画通りに概ね順調に実証分析を行い論文を作成することができた。その結果、研究実績の概要に示したように、為替制度選択におけるセルフセレクション問題を考慮した分析手法であるマッチング法を用いて、為替制度選択の通貨危機発生への影響について分析を行い、論文を作成し、学会で発表した。また査読付き国際雑誌に投稿して、エディターからrevise and resubmitの返答を受けた。ただし、新しい具体的な研究を行うために、またより精緻な分析を行うためには次年度以降もデータの整備と分析手法の研究開発を行い、そして実証分析を行う必要があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の研究期間を3年として、1年目は、主に「データの整備と分析手法の研究開発」、2年目は、主に「実証分析と論文の作成」、3年目は、主に「実証分析の手直し、論文の作成・発表」を行う。 よって、3年目では、2年間の研究を踏まえて、分析の手直し、または新たな研究を推進しつつ、論文をセミナーや学会で発表し、査読付き国際雑誌に投稿し、掲載されるように努力する。すでに、査読付き国際雑誌に投稿して、エディターからrevise and resubmitの返答を受けている論文があるので、この論文の改訂作業を行い再提出して掲載されるように努力する。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)新しいデータを随時更新するために、研究費を使用する。(2)実証分析に必要なモデル及び分析手法の研究開発を行うための資料を購入するために、研究費を使用する。(3)ソフトウェアのバージョアップのために、研究費を使用する。(4)研究発表、資料収集、研究打ち合わせのための旅費として、研究費を使用する。(5)論文の査読付き国際雑誌への投稿料として、研究費を使用する。(6)英文校閲のために、研究費を使用する。(7)研究補助等の謝金のために、研究費を使用する。
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