本研究では、ミクロ計量分析を用いて、為替制度選択の経済パフォーマンスへの影響を分析した。特にマッチング法を用いて、各国が公表した為替制度から実際の為替制度の乖離が通貨危機の発生に影響を与えていたかを検証した。分析結果によれば、公表した固定相場制を実際に採用する政策は、他の政策に比べて、通貨危機の発生を有意に低下させていた。また、公表した固定相場制を実際にも採用する政策は、実際には固定相場制を採用しているが、そのことを公表しない政策に比べて、通貨危機の発生を有意に低下させていた。よって、公表した為替制度から実際の為替制度の乖離及び一致が通貨危機の発生に影響を与えていたと言える。
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