近年の米欧の金融危機についてその特徴について既存の研究のサーベイと公表データを用いた実証分析を実施し、その知見に基づいてかつての日本の金融危機を再検討する観点から、以下の研究成果を得た。(1)日本の大企業の銀行-企業間関係について、メインバンクの債権放棄負担がどのような要因によって決定されているかについての包括的な再検討(2)20世紀の日本のコーポレートガバナンスの長期的変遷を、大企業と金融機関の間の役員兼任及び派遣関係についてソーシャル・ネットワーク分析の手法を用いての再検討(3)金融機関破綻処理方法の相違が銀行-企業間関係の断絶に与えた影響の実証分析である。
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