戦争や経済危機、震災のような発生頻度は低いものの、社会経済に著しいインパクトを与える現状「大災害(disaster)」のリスクが資産価格やマクロ経済に与える影響が注目されている。本研究ではこのような大災害リスクが資産価格や消費行動に与える影響を理論・実証的に分析してきた。その結果、大災害リスクは資産価格理論において重要視されているパズルである株式リスクプレミアムパズルの解決策として重要な役割を果たすことを理論的に明らかにした。しかしながら、大災害の中身を細かく分類し、金融史のデータを使い検証すると、必ずしも理論的に望ましい性質ばかりではないことも同時に明らかにした。
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