• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

民営化が地域経済に与える影響:民営化された企業の退出行動を考慮した理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730312
研究機関名古屋経済大学

研究代表者

加藤 秀弥  名古屋経済大学, 経済学部, 准教授 (80434629)

キーワード民営化 / 企業の退出行動 / 地域経済 / 財の品質
研究概要

本研究の目的は,混合寡占モデルを用いて,「民営化された企業が市場から退出する可能性」を理論的に分析することである。また,民営化が行われることにより,社会厚生にいかなる影響を与えるかについても明らかにする。その際,民営化に関するサーベイをもとに,モデルを作成することに心がけている。今年度の研究は,主に以下の3点を行った。
第1に,昨年に引き続き,民営化の歴史的経緯,民営化を行うに至った経済状況,民営化の成功例・失敗例といった観点から,理論モデル構築のための文献収集および整理を行った。今年度は,ニュージーランド・オークランド大学図書館にて,資料収集を行った。現在,そこで集めた資料などに基づいて,民営化の前後のさまざまな影響についてまとめる作業を行っている。
第2に,民営化された企業が市場から退出する状況を考慮した理論的研究である。昨年度,市場規模が異なる非対称地域のモデルを用いて,民営化された企業が小規模地域の市場から退出するモデルを構築した。今年度は,このモデルを精緻化したことにより,「二地域混合寡占モデルにおける民営化と市場退出」というタイトルで,学術雑誌に論文を掲載することができた。
第3に,本研究の派生的研究として,民営化が財の品質に与える影響について研究を行っている。この課題については,昨年度作成したモデルに政府の政策ツールを組み入れることで,引き続き研究の拡張を図っているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「民営化された企業が市場から退出する可能性を考慮した研究」については,学術論文に載せることができた。この点においては,当初の研究目標をある程度達成できたといえる。しかしながら,本研究テーマの派生的な研究である「品質を考慮した研究」について,十分な考察を得た状態ではない。また,資料収集をまとめる作業についても十分であるとは言えない。

今後の研究の推進方策

平成23年に,垂直的差別化モデルを用いて民営化が財の品質に与える影響について研究をした。平成24年度にもこの研究を行う予定であったが,学務上の都合により十分な研究ができなかった。そのため,今後は政府による政策ツールを考慮入れることにより,そのモデルの拡張を図る予定である。また,集めた資料を用いて,民営化が行われた前後によって生じた影響についてまとめる予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は,これまで行ってきた研究を総括することが目標となる。そのため,主に旅費および消耗品などに支出する予定である。また,英文校正・論文投稿料などにも支出する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 二地域混合寡占モデルにおける民営化と市場退出2012

    • 著者名/発表者名
      柳原光芳・加藤秀弥
    • 雑誌名

      地域学研究

      巻: 第42巻, 第3号

  • [学会発表] Tax Audit and Vertical Externality2012

    • 著者名/発表者名
      加藤秀弥・柳原光芳
    • 学会等名
      日本地域学会
    • 発表場所
      立正大学
    • 年月日
      20121006-20121006

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi