リーマン・ブラザーズが破綻した2008年9月以降、世界経済は深刻な経済・金融危機を迎えることとなった。主要国の中央銀行は、金融市場の信用不安を払拭し経済の成長を回復させるために、相次いで「非伝統的金融政策」を採用した。中央銀行の政策対応とその政策効果を分析した結果、以下の結果が得られた。(1)FRBによる非伝統的緩和政策の効果として、中期金利と長期金利の水準を引き下げるとともに、短期金利と中期金利のボラティリティを引き下げることが確認できた。(2)欧州中央銀行による非伝統的緩和政策の効果として、政策金利の引き下げにより株価が上昇することを確認できなかった。
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