研究課題/領域番号 |
23730316
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
星河 武志 近畿大学, 経済学部, 講師 (20467674)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 為替相場 / 介入 / 外貨準備高 / 国際金融 |
研究概要 |
我が国にとって、為替相場の水準とその変動は非常に大きな関心事である。2011年の円相場は戦後最高値をたびたび更新した。東日本大震災直後に1ドル=76円25銭へ、そして2011年10月31日には1ドル=75円32銭まで円高が進み、政府は10月31日に8兆722億円という米ドル買い日本円売り介入を行っている。本研究「為替リスクと為替政策」の目的は、為替相場の状況や介入のタイミングを含め、どのような介入が効果的に為替相場の水準を動かすのかを検証することである。平成23年度は、「為替介入と為替相場のリバウンドの類型」に関する研究を行い、論文を執筆する実施計画であった。まず、為替介入が実施された日の前後数日を取り出し、介入の効果をシフト型とリバウンド型(およびその他の型)に分類する。2011年は介入が頻繁に行われたため、直近までのデータに更新しながら、論文を改定中である。また、「為替政策と失業の関連について」のサーベイ、データの収集、モデルの選択を行う予定については計画通り、サーベイ、データの収集を行った。いくつかの論文をリバイス中および投稿中である。また、研究代表者の以前の研究課題「日本の外貨準備累積と為替政策が日本経済に及ぼす影響」(若手研究(B)課題番号:20730210)において執筆した論文が本年Applied Economics Letters誌に掲載された。「中小企業への円高の影響と為替政策」という研究について、大阪銀行協会の平成23年度大銀協フォーラム特別賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に問題もなく、おおむね予定通りに進展している。研究実績の概要にも記載したように、平成23年度は、「為替介入と為替相場のリバウンドの類型」に関する研究を行い、論文を執筆する実施計画であった。まず、為替介入が実施された日の前後数日を取り出し、介入の効果をシフト型とリバウンド型(およびその他の型)に分類し、傾向を調べて新しい変数を作成する。2011年は介入が頻繁に行われたため、直近までのデータに更新しながら、論文を改定中である。また、「為替政策と失業の関連について」のサーベイ、データの収集、モデルの選択を行う予定については計画通り、サーベイ、データの収集を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、為替政策と失業の関連について論文を執筆・投稿する。また、平成23年度から作成している論文の修正、および学術誌への論文の投稿を行う。研究をスムーズに行なうための工夫として、近畿大学内の国際金融の専門家からのアドバイス、および学外で開催される研究会等を有効活用したい。参加している研究会には数多くの国際金融専門の教員がいるため、定期的にアドバイスを受けることで研究の発展を促進することができる。また、失業の研究に関しては、労働の専門家に相談予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究費の使用計画は以下のとおりである。調査研究のための国内旅費10万円、海外学会参加のための海外旅費30万円、図書資料購入に10万円である。
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