我が国にとって、為替相場の水準とその変動は非常に大きな関心事である。2011年の円相場は戦後最高値をたびたび更新した。東日本大震災直後に1ドル=76円25銭へ、そして2011年10月31日には1ドル=75円32銭まで円高が進み、政府は10月31日に8兆722億円という米ドル買い日本円売り介入を行っている。その後、アベノミクスとともに1ドル=100円を超えて円安へと大きく変動した。 本研究「為替リスクと為替政策」の目的は、為替相場の状況や介入のタイミングを含め、どのような介入が効果的に為替相場の水準を動かすのかを検証することである。本年は昨年度から作成している論文の修正、および学術誌への論文の投稿を行った。Applied Economics Lettersに掲載されたHoshikawa and Yamaguchi(2013) "A note on the yen/dollar rate without foreign exchange intervention "という論文をさらに発展させる形で為替介入に関するリバウンドの効果に関する論文を執筆を行った。この論文では為替介入によって為替相場が変動した場合、その後どの程度為替相場がリバウンドをするかというものを検証した。現在、海外雑誌に掲載すべく努力しているものの掲載には至っていないが、今後もレフェリーのコメントを参考に修正および投稿し掲載を目指していく。
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