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2013 年度 実施状況報告書

分権化時代の自発的な道州形成に関する研究-経済実験とシミュレーションによる接近-

研究課題

研究課題/領域番号 23730319
研究機関帝塚山大学

研究代表者

竹本 亨  帝塚山大学, 経済学部, 准教授 (60551512)

キーワード地方財政 / 経済実験
研究概要

先行研究では、合併する組合せは外生的に与えられていたが、現実にはどこと組むかということ自体が各自治体の行動によって内生的に決まる問題である。そこで、本研究では各都道府県をプレイヤーとする提携形成ゲームによって、自発的な道州形成とそれを促進するような制度変更を明らかにする。
昨年度は予定した数の被験者を帝塚山大学で集めることができず、実験データが不十分であった。そのため、本年度は昨年度に引き続き同様の実験を行った。また、これまでの実験から被験者の性差が利他性などに影響を与えている可能性が予想された。つまり、1つの教室に集めた学生の性別が極端に女性ばかりに偏っていた場合、意思決定がそうでない場合と異なり、結果に影響を与えている可能性がある。そこで、被験者の性別の偏りが意思決定に影響していないかについての実験を追加した。また、全体構想(3)では経済実験で明らかとなった均衡概念を利用し、財政調整の制度変更が与える影響を分析する予定であるが、その際に対象となる制度変更のいくつかは現実に存在する外国、特に道州制度に近いと思われる連邦制国家の例を参考にする。そこで、連邦制国家であるオーストラリアとロシアの財政調整制度をその候補とし、調査分析を行った。
本年度は、昨年度から被験者募集を改善したことで、昨年度よりは多くの学生の参加を得た。しかし、同じ学生の応募も多く、本学部または本キャンパスの学生数を考慮すると、当初計画しただけの実験を実施するのは難しいと判断した。そこで、関西大学の設備を借り、同大の学生を被験者とした経済実験も実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初めて帝塚山大学で経済実験を実施した昨年度に比べて、本年度は被験者募集を改善し、昨年度よりは多くの学生の参加を得た。しかし、同じ学生の応募も多く、本学部または本キャンパスの学生数を考慮すると、当初計画しただけの実験を実施するのは難しかった。さらに、当初計画していなかった被験者の性別の偏りに関する実験を実施したことも加わり、予定していた全体構想(3)を完了させることができなかった。これについては、研究期間を1年延長することで対応する予定である。

今後の研究の推進方策

本年度は、全体構想の(3)に関する経済実験に進む。まず、ここまでの経済実験で明らかとなった均衡概念を利用して、財政調整の制度変更がどのような影響を与えるのかをシミュレーションする。さらに、その場合の統合効果を利得とした提携形成ゲームを経済実験で追試し、理論分析の結果を補強する。

次年度の研究費の使用計画

本年度は被験者募集を改善し、昨年度よりは多くの学生の参加を得たが、同じ学生の応募も多く、本学部または本キャンパスの学生数を考慮すると、当初計画しただけの実験を実施するのは難しく、被験者に支払う謝金が計画通りと行かなかった。
来年度も引き続き経済実験を行い、被験者に支払う謝金として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Non-Monetary Punishment に対する互恵性の存在とその影響-繰り返し一方的最後通牒ゲーム実験による検証-2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木明宏、伊藤健宏、楊培魯、小川一仁、高橋広雅、竹本亨
    • 雑誌名

      理論と方法

      巻: 28(2) ページ: 203-219

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ロシア型財政調整制度による地方交付税改革のシミュレーション分析2013

    • 著者名/発表者名
      竹本亨
    • 雑誌名

      財政研究

      巻: 9 ページ: 227-247

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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