第一に、高岡市立中央図書館の協力を得て、満洲事変期までの地元紙(コピー)の収集を終えることができた。これにより、フェーズ1:県内会社と株主の網羅的な把握のための史料調査のうち、会社について増資・減資・解散までを含めたデータベースの構築が大きく進展した。また、フェーズ3の「地場証券業者の分析」に関して、彼らが地元紙に提供する自店舗での株式売買情報(地場銘柄と株価)のデータなどを入手・分析することもできた。 第二に、フェーズ2の中小株主の投資選好分析について、NDLで公開されている富山県副業調査資料シリーズとは別に、地場の雑誌や図書などに掲載された副業勧奨の記事などを、京都大などでの資料調査と平行して収集して、分析を進めた。 第三に、フェーズ2を補うものとして、富山市郷土博物館などの発行する旧家文書目録の購入を通じて、中小株主への株式分散を示す近代史料の収集を進めた。また、フェーズ3を補うものとして、富山市・高岡市の職業別地図などの収集に努めた。 第四に、以上のことと平行して、フェーズ4の富山県満鉄株主データベースとの接続とそれにもとづいた分析を進めている。
|