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2012 年度 実績報告書

両大戦間期イングランド銀行の対外政策に関する研究‐エル・サルバドル準備銀行の創設

研究課題

研究課題/領域番号 23730334
研究機関八戸工業高等専門学校

研究代表者

佐藤 純  八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30413719)

キーワード英国金融使節団 / イングランド銀行 / パウエル使節団 / 「マネー・ドクター」 / スターリング圏政策 / 英国通貨当局
研究概要

本年度は、英国において、同国の公文書館(Public Record Office)、イングランド銀行資料館(Bank of England Archive)、およびロンドン・スクール・オブ・エコノミクス図書館における資料の閲覧・収集作業を予定通り行うことができた。その結果、イングランド銀行金融使節団(パウエルF.F.J.Powell使節団)のエル・サルバドルにおける活動の全貌の把握という本研究の主要な目的を果たすことができた。従来の英国金融使節団、あるいは英国「マネー・ドクター」に関する研究は、金融アドバイザーの派遣主体、具体的にはイングランド銀行や英国大蔵省などの英国通貨当局の政策的意図のみに注目し、金融使節団が、派遣された諸国において具体的にいかなる交渉・活動を展開したのか、ということを十分に明らかにしてこなかった。その結果、当時のイギリスの対スターリング圏(Sterling Area)政策の実際の効果に関しては不明のままであった。しかし、未だ事例研究にとどまる本研究ではあるが、英国通貨当局の意図が、派遣された現地政策主体の意図・活動によって、十分に貫徹されていなかったことを明らかにすることができた。すなわち、パウエル使節団派遣の結果創設されたとされるエル・サルバドル準備銀行は、イングランド銀行の意図=スターリング圏の維持・拡大という役割に資する機関というよりも、現地政策主体、具体的には当時のエル・サルバドルの大統領の政策的意図に資する機関であったことが明らかとなった。したがって、本研究によって、1930年代イギリスの対スターリング圏政策がシティ(The City)の金融利害の貫徹されたものであったとする従来の評価に対して、一定の修正を加え先行研究にはない新しい議論を提起することができた。なお、この成果は、研究会、共著、英文雑誌などで公開することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The Bank of England Financial Advisory Missions to Latin America during the Great Depression: An Analysis on "Money Doctoring" from the Perspective of the Periphery2013

    • 著者名/発表者名
      Jun Sato
    • 雑誌名

      The East Asian Journal of British History

      巻: Vol.3 ページ: 77-94

  • [学会発表] モンタギュー・ノーマン卿と両大戦間期の世界‐債務危機下ラテン・アメリカにおける英国金融使節団の活動‐

    • 著者名/発表者名
      佐藤 純
    • 学会等名
      平成24年度東北学院大学ヨーロッパ文化総合研究所主催ヨーロッパ近現代史若手研究会
    • 発表場所
      東北学院大学
  • [図書] 西洋近代における分権的統合 その歴史的課題‐比較地域統合史研究に向けて‐2013

    • 著者名/発表者名
      小原豊志・三瓶弘喜
    • 総ページ数
      375
    • 出版者
      東北大学出版会

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公開日: 2014-07-24  

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