1930年代におけるイングランド銀行の対外政策に関しては、その影響力が及んだ範囲の大きさゆえに研究者の関心を集めてきた。これに関して先行研究は、同行がスターリング圏(sterlingarea)の安定と拡大を目的として、帝国内外の諸国にアドバイザーを派遣し中央銀行の創設を実現していったことは明らかにしているが、中央銀行創設に至るプロセスや、果たして中央銀行の創設によって上述の目的は達成されたのか否か、以上の点については十分には明らかにしてこなかった。本研究では、これらの点を1934年におけるエル・サルバドル準備銀行の創設に関する事例に即して明らかにした。
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