観光地に存在する様々なアクターの諸力を総合するために、DMOやDMCと呼ばれる組織が、地域競争力を向上させるための活動を行っている。これらの組織はマーケティングやマネジメントのノウハウを持っているが、地域が提供するサービス品質を管理したりサービス・レベルを向上させようとするような視点は持っていなかった。 本研究は、観光地においてサービス・イノベーションの創出を目指すには、製造業的なミクロ視点のイノベーション論だけではなく、地域イノベーション論的なマクロ視点を導入することが必要とし、実証研究を重ねることによって「地域サービス・プロフィットチェーン」の枠組みの有効性を提唱している点に意義がある。
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