研究期間全体を通して、我が国からのファーストインクラス医薬品創出を促進するために、特に大学等公的研究機関の研究成果をベースにした事業化により医薬品開発のイノベーションシステムに関する研究を計量学的手法(ネットワーク分析、テキストマイニング等)を用いて行い、このようなプロジェクトの管理する際の管理手法について日本知財学会の関連誌上で提言を行った。加えて、平行して製薬企業においてファーストインクラス、ベストインクラス医薬品の開発に関わった創薬研究者にインタニューを行い、医薬品開発のイノベーションシステムについて考察を行った。今年度は、昨年度までの研究成果をもとに、2報の論文の投稿を行った。医療ニーズをWebアンケートを行い、解析を行った報告については、リジェクトされたため、論旨を含めて再検討を行っている。2015年度中の採択を目指し準備を行っていく。もう一報は2015年4月21日現在、査読中である。また、過去3年間実施してきたアンメットメディカルニーズ発掘を目的に行ってきた創薬ネットワークセミナーは、2014年7月7日に現在全身用siRNA製剤を日東電工とともに臨床開発中の札幌医科大学の新津洋司郎先生と大阪大学医学系研究科の竹田潔先生をお招きし、約100名の参加者とともに議論を行った。過去3年間のセミナーはいずれもアンケート調査を行っており、今後このようなセミナーの効果がどのようにあったかを分析し、論文投稿を準備する。上記に加えて、北海道大学の実際の研究成果の事業化にコミットし、技術経営的な側面から助言を行うとともに、今後、当該事業化のケースを作成していく予定である。
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