• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

医療法人病院のガバナンスに関する研究―病院ガバナンス論の確立のために

研究課題

研究課題/領域番号 23730339
研究機関東北大学

研究代表者

堀籠 崇  東北大学, 経済学研究科(研究院), 博士研究員 (80547357)

キーワード医療法人 / 経営分析
研究概要

研究期間全体を通じて明らかにしたのは以下の3点である。
第一に、近年における医療制度改革の具体的内容と医療法人ガバナンスとの関係である(平成23年度に実施)。具体的には、①第5次医療法改正に至る医療法人制度改革の経緯と、医療法人をガバナンスする目的、②医療産業の特性を踏まえたうえで、医療法人をガバナンスする仕組み、③医療法人をガバナンスする主体(主権者)、以上について明らかにした。
第二に、東北6県における医療法人経営の実態(損益状況と財務的特徴)である(平成23年度、平成24年度に実施)。特に本年度は医療法人の財務的特徴について明らかにした。①黒字法人では、法人の開設する施設の土地や建物、医療設備を自己取得している可能性が高い、②順調に利益を蓄積している黒字法人であっても、単年度レベルでは、赤字を計上する危険性は存在する、③黒字法人において積極的な設備投資がなされている可能性がある、④黒字法人、赤字法人とも自己資本比率は決して高いものではない、⑤都市部において設備投資の過大傾向の可能性がある、⑥一般に黒字法人の方が短期の支払い能力が高い、⑦都市部において借入金負担の重圧がある、⑧赤字法人は利益率の低さを資本の回転率でカバーしようとしている傾向にある、以上である。
第三に、医療法人経営のありかたに影響を与える「医の倫理」に関する行政の認識とその対応についてである(平成24年度に実施)。近時における、医学の進歩や政治、社会、経済の構造的変化による医療環境上(少子高齢化の進展や家族構成、社会保障を支える財政基盤)の変動は、医療と福祉の垣根を低めるとともに、より日常生活に溶け込んだ医療・福祉サービスの必要性を喚起した。このような状況下において医療サービス提供者に求められるのは、サービス需要者のライフスタイルをも加味した包括的な視点からのケアであることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 厚生白書に見る医療専門職に求められる倫理と行政的対応の変遷について―1956年~2001年―2012

    • 著者名/発表者名
      堀籠崇
    • 雑誌名

      TERG Discussion Paper

      巻: No.283 ページ: 1-20

  • [学会発表] 病院を経営する医療法人の財務分析2012

    • 著者名/発表者名
      堀籠崇
    • 学会等名
      日本経営学会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      20120906-20120909

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi