本研究では、短期的視点、及び長期的視点の両面から、系列取引におけるネットワークのマネジメントを検討した。 短期的な視点からは、企業グループにおけるコミュニケーション・ネットワークを改変することによって、ネットワークの構造と関係特性を変化させ、企業グループの生産性・創造性を高めるマネジメント手法をモデル化した。具体的には、建設現場のプロジェクト・マネジャーが、企業グループのネットワークを凝集化させ、それらのネットワークを本部が橋渡しし、組織的な知識を創造するメカニズムを明らかにした。 長期的な視点からは、グローバルな自動車メーカーの各国のサプライチェーンの形成原理を地域のコンテキストから考察した。具体的には、地域の競争激化に対応して生産性を高めるため、日系メーカーのサプライチェーンの形成原理が、資源依存パースペクティブから制度化パースペクティブへと変化しつつあることを明らかにした。
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