研究課題/領域番号 |
23730342
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
マニエー渡邊 レミー 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 助教 (00527848)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
リサーチ・クエスチョン1: 組織プロセスの連鎖ナレッジ・マネジメントに影響を及ぼす組織プロセスの要因の連鎖を識別し、それらの影響を評価した。リサーチ・デザイン:世界各国の研究者の協力を得て、国際アンケート調査を実施し、ナレッジ・マネジメントの専門家へのインタビュー調査の準備をした。アンケート調査の対象:日本を含め10カ国のエンジニア(各国200)。インタビュー調査の対象:日本を10カ国の専門家(各国10)。アンケート調査の自由回答の設問で、将来のイノベーションのためエンジニアが以前のプロダクト・サービスから取り出したい情報とナレッジを調査した、どのようなナレッジを組織内に保管する必要があるかを特定した。その他に次の項目を調査した。1)ナレッジの獲得、保管、普及と応用の組織的バリアと障害、2)対象者の組織の組織特性(ナレッジ・マネジメントの活動、重要度)。専門家のインタビュー調査は、以下の3点に焦点をあてる。1)ナレッジ・マネジメントの今後の研究でもっとも重要な研究課題、2)ナレッジ・マネジメントの今後の実践でもっとも重要な実践的問題と3)ナレッジ・マネジメントの促進要因(組織能力、戦略、文化)。リサーチ・クエスチョン2: ナレッジ・マネジメント及び技術の普及の制度上のイネイブラ日本、フランス及び米国のe-moneyの普及のためのナレッジ創造とイノベーションのマネジメント。リサーチ・デザイン:Suica、Pasmo、Edyのe-money各社のマネジャーのインタビューに基づき、日本でのe-moneyの普及のケーススタディーを行った。24年度は国際比較をするため、フランスと米国でのインタビューを実施する。インタビュー調査の対象:Suica/Pasmo/Edy(日本)、Moneo(フランス)、First Data Corp.(米国)のマネジャー。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リサーチ・クエスチョン1: 組織プロセスの連鎖アンケート調査を実施し、全国から206人のエンジニアからの回答者を得た。調査結果を因子分析、相関係数、回帰分析に加えテキストマイニング分析を行った。専門家のインタビューに関して、アンケート調査の結果に基づきインタビューの質問票を作成中。リサーチ・クエスチョン2: ナレッジ・マネジメント及び技術の普及の制度上のイネイブラーモバイル・テクノロジーの導入に関する高広範な文献レビューし、モバイル決済システムの採用に影響を与える11のキー要因を抽出し、包括的なモデルを提案した。調査結果をケース・スタディーに求め、学術雑誌に出版した。
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今後の研究の推進方策 |
組織プロセスの連鎖の研究の国際比較分析を行うため、各国の研究協力者との共同研究を実施する。ナレッジマネジメント及び技術の普及の制度上のイネイブラーの研究のため、24年度は米国及びフランスでのインタビュー調査を行い、各国のE-money産業のキープレーヤー、ビジネスモデル、構造を分析する。E-moneyの普及のキー要因とその相互作用を抽出する。E-moneyのキープレーヤーとその周辺のエコシステムのプレーヤーは、端末メーカー、電子財布の決済システム開発者、通信事業者、インフラストラクチャ・プロバイダー、アプリケーション・コンテンツ開発者を含め多数存在し、複雑な関係を持っている。日本、フランス、米国のE-moneyの特有の産業構造を分析する。25年度は分析結果をまとめ、学会等で研究成果を示す予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度にE-money産業のキープレーヤーに対するインタビュー調査の実施を予定していたが、モバイル決済システムの採用に影響を与えるキー要因を抽出して学術雑誌に出版すのは予想以上の時間がかかりましたので、次年度に実施することにしたため、残額が生じた。24年度は、その残額を合わせて、E-money産業のキープレーヤーに対するインタビュー調査の実施や米国及びフランスでのインタビュー調査費用に充てる予定である。
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