本研究では、日本の原子力発電所におけるリスク管理の現状と課題を、経営学組織論の一研究領域である高信頼性組織研究の視点から探究することで、日本の原子力発電所が組織事故を未然に防止し、高い信頼性を保持した組織になるために求められる管理方途を解明した。理論研究を通じて、ストラクチャル・コントロールの強弱およびソーシャル・コントロールの強弱から、組織を4つのタイプに類型化できるモデルを構築した。さらに、それぞれの組織タイプのリスク管理の特性および問題点を明らかにした。その上で、事例研究を通じて、そのモデルの有効性を実証した。
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