• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

経営学における市場概念の検討をつうじた取引の理論的・経験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730351
研究機関徳山大学

研究代表者

矢寺 顕行  徳山大学, 経済学部, 講師 (20582521)

キーワード市場 / 制度 / アクターネットワーク理論 / 計算 / 労働市場 / 人材紹介業 / 中途採用 / 転職
研究概要

平成24年度の計画は、①市場における財の生成、②行為者の取引能力の生成の2点について、理論的な検討と調査結果にもとづいた論文を投稿し、①と②をふまえた、③市場の生成プロセスに関する研究を進める、というモノであった。
当該年度の研究においては、初年度に進められたアクターネットワーク理論と制度論から得られる理論的枠組みをもとに、経験的な研究を加えて検討していく作業を行った。
まず、制度論にもとづく分析に関しては、研究計画調書に記載した制度論に精通する研究協力者との研究会に参加した。これについては、市場における効率性を制度として捉え、新制度派経済学と新制度派組織論の統合を試みた論文を研究成果として発表した。新制度派経済学と新制度派組織論は、お互いの違いに注目されることは多かったが、それらを統合しようという試みは少なく、理論的に意義のあるものになったと考えられる。
次に、アクターネットワーク理論については、市場における行為者の取引能力としての「計算」に注目し、学会報告を行った。学会報告でのコメントを踏まえ、文献研究を進め、労働市場を分析した論文を執筆し、投稿した。この研究成果は投稿中ではあるが、アクターネットワーク理論を、市場の分析に応用する研究はまだ無く、意義のあるものであると考えられる。
このアクターネットワーク理論の考え方によれば、行為者の取引能力は、取引の対象となる財と、それを取り巻くモノや制度といったもののネットワークとして捉えられる。上記の2つの研究にもとづいて、③市場の生成プロセスに関する理論的研究を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、取引において市場が果たす役割と、取引と市場の生成・変化の関係について明らかにすることである。具体的な研究課題としては、アクターネットワーク理論や制度論を手がかりとしながら、①財の生成、②行為者の取引能力、③市場の生成の3点を明らかにすることである。
当該年度までの研究において、制度論、アクターネットワーク理論のそれぞれの分析視角がどのように市場を捉えているのかについて、論文や学会報告での発表を行ってきた。研究課題の①と②をふまえれば、③の課題を明らかにすることができると考えられる。
研究成果としては投稿中のものがあるものの、上記の進捗状況は、研究計画にそったものであり、目的の達成度としてはおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

最終年度として、平成25年度の研究計画は、研究目的にある①財の生成、②取引能力の生成、③市場の生成・変化の3点についての総合を行う予定である。
研究の推進方策に関しては、平成24年度とかわらず、理論的研究を進めながら、具体的な事例に応用するという形での経験的研究を進めていく。
現段階では、制度論とアクターネットワーク理論という異なる分析視角からの検討にとどまっているが、両理論の異同を明らかにし、両者を統合した枠組みの中で捉えられるような枠組みの構築に発展させていく。

次年度の研究費の使用計画

研究費についても、最初の計画の通りに使用されている。平成25年度の研究費の使用おいても、これまでの計画の通りに進めていきたい。
具体的には、論文・学会報告資料の作成に必要な文献・論文・資料にかかる費用と、研究会・学会に出席するための旅費が中心となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 効率性の追求が生み出す系列の内生的変化:二つの新制度派の葛藤を超えて2013

    • 著者名/発表者名
      矢寺顕行・浦野充洋・松嶋登
    • 雑誌名

      経営と情報

      巻: 25 ページ: 21-43

    • 査読あり
  • [学会発表] 計算と市場2012

    • 著者名/発表者名
      矢寺顕行
    • 学会等名
      日本情報経営学会第64回全国大会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2012-06-03

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi