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2011 年度 実施状況報告書

大学新卒採用活動における「決めさせる選考」の実証的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23730358
研究機関首都大学東京

研究代表者

林 祐司  首都大学東京, 大学教育センター, 准教授 (40464523)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード新卒定期採用活動 / 大卒者 / 就職 / 組織的公正 / 人的資源管理
研究概要

本研究の目的は、大学新卒採用活動において、学生たちに企業への入社を決意させる「決めさせる選考」がいかにすれば可能になるかを明らかにすることにある。具体的な研究課題は、選考プロセスの手続的公正等の要因が学生たちの企業選択の意志決定にどのように影響するのかを、アンケート調査を実施し、その結果を計量分析することで明らかにすることである。 研究計画では、2011年度8~9月に就職活動学生モニターを対象としたウェブベースのアンケート調査を実施し、選考辞退か選考継続か、内定辞退か入社辞退かの双方について、選考プロセス等の各要因がどのような影響を与えるのか明らかにする予定であった。本年度は研究資金の交付状況に応じて柔軟に研究計画を変更し、内定辞退か入社辞退かに焦点を絞ったうえで、調査の開始を若干遅らせ10月に実施することにした。研究資金の全額納入を待った後、選考辞退か選考継続かを含め、検討することも考慮したが、わが国の選考プロセスは一定のスケジュールに従い実施されることを念頭に置くと、あまりに調査時期を遅らせることは調査対象者の記憶が薄れることが懸念された。 このようにして実施したアンケート調査の結果について、Gilliland(1992, 1993)たちにより開発された選考プロセスに関する理論モデル等に従い、2011年度後期に計量分析を行った。理論が予測するとおり、選考プロセスの手続的公正が、学生たちの企業選択に大きな影響を与えていることが分かった。また、個人面接等の手段を講ずることにより、学生たちがよりその企業を選択するようになることが確認された。本研究が暫定的に得たこれらの分析結果は、わが国の企業が採用選考において、応募者である学生たちに選考を行う中で自社への入社を決意することを企画する上で有益な示唆を与えるものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究資金の交付が当初そうしていたよりも遅れたために、研究計画とは若干異なる状況にはあるが、おおむね研究計画を達成しており、学生たちに企業への入社を決意させる「決めさせる選考」がいかにすれば可能になるかを明らかにするということについても、実証分析の結果をみる限り達成されている。

今後の研究の推進方策

2012年度は研究計画に従い、2011年度に実施した研究の結果について口頭発表を行う(2012年5月)。また、2012年度は論文を学術誌に投稿することを予定している。

次年度の研究費の使用計画

上に記したとおり、研究目的に照らして本研究は所期の成果を上げつつある。しかしながら、2011年度は東日本大震災の影響から採用選考のスケジュールが大きく乱れたがゆえに、今回の調査の結果が一般化できるかを検証する必要があると考えている。2011年度は交付された直接経費90万円のうち、63万円しか使用しなかったが、これは残りの27万円が交付された時期が当初の想定よりも遅れたことによる。わが国の採用活動は一定のスケジュールのもと行われているが故に、特定の時期にアンケートを行う必要があると考えたため、27万円を執行せず次年度に回すことにした。次年度は、東日本大震災により大きく乱れたスケジュールのもと実施された本年度の採用活動のアンケート結果が一般化できるか、この27万円を用いて検証できるか検討を行っているところである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新卒採用活動における<決めさせる選考>の実証的検討2012

    • 著者名/発表者名
      林祐司
    • 学会等名
      社会労働研究会
    • 発表場所
      大阪ガーデンパレス
    • 年月日
      2012年2月18日

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公開日: 2013-07-10  

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