本研究は、組織成員の公平性の知覚を高めるために、組織に求められるものは何かを明らかにすることを目指した。その結果、従来の研究で示されていた、一貫性、バイアスの抑制、情報の正確性、修正可能性、代表性、倫理性といった要因に加えて、戦略の浸透が重要であることが示された。 従来の研究では、意思決定のプロセスや評価プロセスに注目して、いかにして公平性を高めるかに取り組んできた。しかし、組織内で「よいこと」とされる内容を決める経営理念や戦略、あるいは方針の存在を無視することはできないことが示されたのである。
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