本研究の目的は、アジア圏(韓国、中国、台湾など)のデジタルコンテンツ市場における、日本の企業と市場の位置づけを明らかにすることである。企業の調査、資料の収集と検討が示唆するのは、日本の企業と市場が、新しい、魅力的なデジタルコンテンツを創り出す力を弱めている可能性である。したがって、アジア圏の人々を惹きつけ、この地域への展開を進めるためには、国内でデジタルコンテンツを生み出す環境を整え、その力を再活性化しなくてはならないだろう。 そのためには、企業以外にも目を向けた経済的価値に偏しない視点、従来の企業、業界、地域といった境界を超える構想力、個人の創造性を喚起する政策が必要だと考えられる。
|