研究課題/領域番号 |
23730366
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
松本 典子 駒澤大学, 経済学部, 准教授 (90453563)
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キーワード | 国際情報交換 / 国際比較研究 / 韓国 / イギリス / 社会的企業 / 労働者協同組合 / 経営学 / 評価 |
研究概要 |
当該研究は、雇用情勢が悪化する日本において、雇用創出の側面に社会的課題を見出しその解決を担う労働統合型社会的企業(Work Integration Social Enterprise)の組織特性を国際比較研究(理論的研究および実証的研究)から分析し、日本の多様な制度に整合するビジネス・モデルを構築することを目的としている。 当該年度は、平成23年度に得られた研究結果である「労働統合型社会的企業が直面する課題」に基づいて研究を進めた。 国内研究では、先進的な取り組みを行っている社会的企業に対して、平成23年度の調査結果を補足・強化するためのインタビュー調査を行った。また、研究に係る研究会やフォーラムにも参加した。当該研究は、両者より得られた情報から、社会的企業の普遍的な組織特性を抽出することによって、労働統合型社会的企業のビジネス・モデル構築を目指している点に重要性がある。 国際比較研究では、英国および韓国の社会的企業にインタビュー調査を実施した。調査票は、国内調査において作成したものをベースに、各国の社会的企業支援施策を反映させたものを作成した。調査終了後は、インタビュー記録を作成して英国および韓国における社会的企業のビジネス・モデルや支援施策を検討すると同時に、日本の労働統合型社会的企業が直面する課題を整理した。当該年度はビジネス・モデルの仮説を強化した点に意義がある。 さらに当該年度は、労働統合型社会的企業をより普遍的なものにするための社会評価手法に関しても引き続き検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度も文献の整理・講読により理論的研究を深めつつ、平成23年度に得られた結果である調査票に基づいて、日本国内では調査結果を補足・強化するためのインタビュー調査を行った。同時に、国外では、英国および韓国の社会的企業への訪問インタビュー調査および資料収集を実施し、国際比較研究を予定通りに実施した。調査終了後にインタビュー記録を作成し、日本の労働統合型社会的企業モデルに示唆を与える部分をまとめ、事例の一部を雑誌に投稿した。最終的には、日本の労働統合型社会的企業が直面する課題を整理し、ビジネス・モデルの仮説を強化した。 以上から、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、平成23・24年度に得られた研究結果を踏まえて、国内における訪問インタビュー調査の補足調査を実施する。そして、労働統合型社会的企業の直面する課題を整理・検討し、関連する制度なども踏まえてビジネス・モデルを提示する。雇用創出という実績・事業性のみではなく、社会性にも配慮した評価基軸についても成果発表を行う(成果報告書を作成・製本する)。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費も交付申請書の計画通り、理論的研究に必要な研究関連図書・資料の購入、国内における訪問インタビュー調査の補足調査、成果報告書の印刷製本・郵送に充てる。
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