本研究の成果の一端として、アジア新興国の多国籍企業による特許増加の要因には、先進国の外国人発明者を雇用し、その開発力を活用することによって、急速に先進国企業と同等の技術開発力を有しているのではないかという仮説のもと研究を行った。本研究からは、アジア新興国の多国籍企業が先進国にR&D拠点を置きながらも国内発明者に大きく依存していることが示された。これは、R&D拠点の役割として未だ発展初期段階であると想定されるが、アジアの日本企業においても国内発明者の割合が極めて高い傾向が見られることには、可能性として研究開発のコミュニケーションにおける問題が考えられるのではないか。
|