研究課題/領域番号 |
23730377
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
井口 知栄 立教大学, 経営学部, 助教 (20411209)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / タイ / フィリピン / マレーシア / グローバル・イノベーション戦略 / 多国籍企業 / 在外子会社 |
研究概要 |
本研究ではアジアをホスト国とする日系企業を対象とし、多国籍企業の本社と在外子会社のグローバル・イノベーション戦略の役割の本質をとらえるために、在外子会社の研究開発能力の視点を軸に、1)研究開発活動における在外子会社および本社の役割を明らかにし、2)在外子会社での協働研究開発活動の内容を明確にし、3)協働研究開発活動がいかに多国籍企業グループおよび在外子会社のイノベーション戦略および技術発展に貢献しているのか、4)グローバル競争優位の新たな源泉となるべくホスト国での研究開発活動と子会社発展理論との関係を明らかにすることを目的としている。当該年度においての研究計画では、1)先行研究・文献サーベイ、2)専門的知識提供・交換、3)アジア諸国でのインタビュー調査(8月マレーシア、3月タイ・ベトナム予定)、4)研究途中経過の発表(7月AIBにて報告及び最先端の研究情報収集、11月EAMSAにて報告、12月EIBAにて報告及び最先端の研究情報収集を予定していた。計画していた1)~4)の項目をほぼ計画通りに実施し、当該年度は目的の中でも特に1)研究開発活動における在外子会社および本社の役割を明らかにすることに焦点をあてた。計画3)のアジア諸国でのインタビュー調査がタイとフィリピンでは実施できたが、マレーシアベトナムでは実施できていないため、それらの地域は平成24年度に繰り越して実施する予定である。当該年度においては、英語での論文を2本書き、国際学会の査読時に査読者からA4で4枚程度のコメントを頂き、学会の報告時にもフロアから多くのコメントを頂き、今後の研究成果の質の向上に役立てていくことができる成果が得られたと考えられる。また、研究内容の国内外での重要性を再確認することもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度において、1)先行研究・文献サーベイ、2)専門的知識提供・交換、3)アジア諸国でのインタビュー調査(8月マレーシア、3月タイ・ベトナム予定)、4)研究途中経過の発表(7月AIBにて報告及び最先端の研究情報収集、11月EAMSAにて報告、12月EIBAにて報告及び最先端の研究情報収集を計画していた。3)以外は予定通りに進んだ。3)に関して、インタビュー調査がタイとフィリピンのみでの実施となったので、マレーシア、ベトナムには平成24年度に調査に行く予定である。成果としての論文も2本書け、インタビュー後のデータを用いた論文を平成24年度に書く準備をしているので、おおむね順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
該当年度において、次年度への繰越金が207,284円発生している。該当年度では予定していた国への出張が実行できなかった点について研究実績の概要で既に述べているが、繰越金は、それらの国での現地での企業インタビューに使用する予定である。本研究においてのホスト国の重要性を考慮しつつ、インタビュー先の国を変更する可能性も出てきている。東南アジア諸国と研究開発の点で関係のある台湾本社へのインタビューも視野に入れている。今年度の研究費と繰越金を含めて、平成24年度の研究計画・方法として以下を予定している。1)先行研究・文献サーベイ、2)専門的知識提供・交換(AIBに参会時に研究者とアポを取り情報提供して頂く)、3)アジア諸国でのインタビュー調査(8月ベトナム、3月タイ・シンガポール予定)、4)研究途中経過の発表、7月Academy of International Business (AIB ワシントンDC)にて報告及び最先端の研究情報収集、11月Euro-Asia Management Studies Association (EAMSA シンガポール)にて報告、12月European International Business Association (EIBA)にて報告及び最先端の研究情報収集。現地でのデータが、統計分析をするほど豊富に集まっていないため、今年はデータ収集に力を入れつつ、成果物として、国際的に発信できる論文を英語で書いていく予定である。国際学会での報告時のコメントと査読時のコメントを有効に活用し、質の高い論文へ完成度の高いものに近づけるようにしていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当年度の繰越金を合わせた次年度の研究費の使用予定項目は、以下の3つに分類することができる。1)先行研究・文献サーベイのためにイノベーション戦略に関する図書、研究開発分野に関する図書、子会社発展に関する図書、業界およびホスト国に関する調査報告書入手に使用。2)アジア諸国でのインタビュー調査(8月ベトナム、3月タイ・シンガポール予定)に使用。3)研究途中経過の発表、7月Academy of International Business (AIB ワシントンDC)にて報告及び最先端の研究情報収集、11月Euro-Asia Management Studies Association (EAMSA シンガポール)にて報告、12月European International Business Association (EIBA)にて報告及び最先端の研究情報収集の予定の中で、1か所への旅費に使用(論文はこの科研費で書かれたものであるため、成果物として値する)。
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