本研究ではアジアをホスト国とする日系企業を対象とし、多国籍企業の本社と在外子会社のグローバル・イノベーション戦略の役割の本質をとらえるために、在外子会社の研究開発能力の視点を軸に、1)研究開発活動における在外子会社および本社の役割を明らかにし、2)在外子会社での協働研究開発活動の内容を明確にし、3)協働研究開発活動がいかに多国籍企業グループおよび在外子会社のイノベーション戦略および技術発展に貢献しているのか、4)グローバル競争優位の新たな源泉となるべくホスト国での研究開発活動と子会社発展理論との関係を明らかにすることを目的としている。 最終年度における研究計画では、分析結果の集約を行うと同時に補完的インタビュー調査による確認作業を行い、本研究のまとめをすることと、国際学会にて研究成果を報告し、国内外の研究者からフィードバックをもらい、ジャーナル等への投稿に役立てることであった。今年度は、これまでの研究成果をいくつかの海外の学会(AJBS、EAMSA、EIBA、ロンドンでのコロキウム)で発表することができた。学会発表を通じて、多くのフィードバックが得られ、インパクトファクターのある査読付海外ジャーナルに2本の論文を送り、その他の成果も本の章としても刊行される予定である。
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