本研究は多国籍企業子会社のホスト国での研究開発活動の役割とその影響を明らかにすることを目的としている。多国籍企業本社や子会社側からの一方的な視点だけでもなく、ホスト国からの視点だけでもなく、多国籍企業が海外進出することによるホスト国での国際戦略と企業間連携の関連性を東南アジア諸国でのヒアリング調査によるデータを用いて考察した点に独自性が見られる。またホスト国が発展途上国の場合のデータを用いて、ナショナルイノベーションシステムにおける多国籍企業子会社の役割の有効性とその汎用性について、ホスト国によりその有効性が大きく異なるという見解により、既存研究の限界を指摘している。
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