研究課題/領域番号 |
23730379
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中岡 伊織 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 助教 (50469186)
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キーワード | ポジティブサイコロジー / 多重知能 / 因子分析 / 進化計算 |
研究概要 |
採用は企業の人的資源の構成を決めるものであり,その企業の労働力の質と量を決定する.人材採用管理は企業活動の中核を構成し,かつ,中・長期の経営計画の遂行において非常に重要なファクターとなっている.一般に企業が人材を採用する際には主に,能力や徳を重視して採用活動を行っている.能力では,学歴や各分野に対する能力,徳では人間性に関する項目を利用している. 本研究課題で取り扱う問題は,採用可能人数という制約条件を満たしながら,能力や徳がそれぞれ最大になる組み合わせを探す問題である.その後,企業ごとに合わせて,採用候補者の中から実際に採用すべき人材の組み合わせを提示することを最終的な目的としている. 本研究では,上述の通り人間の能力および徳について取り扱う.徳についてはM.Seligmanのポジティブサイコロジーより,例えばリーダーシップに関しては,「私はいつでもあら捜しせずに物事を一緒に取り組んでくれる人を捕まえることができる」と「グループの計画を立てるのが苦手である」,また社会性に関しては,「どんな社会的な状況でも馴染むことができる」と「他の人が感じていることを感じ取れない」などといった計48項目をアンケート調査項目とした. また人間の能力を表すにはH. Gardnerの多重知能(Multiple Intelligence)より30項目程度,アンケート項目を設定した.また,同時にその人が働いている業種・職種・自己評価によるパフォーマンスも採取することとした.このアンケート実験結果を因子分析を用いて分析し,人材選択システムへ適用することとする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定では本年度は人間の能力および徳に関するアンケートを実施し,その分析を行い,最適人材選択システムの構築という段階まで進む予定であった. しかしながらアンケート実験の実施項目および手順までは決定できたが,アンケートの実施という段階に移ることはできなかった.このように研究の遂行が遅れている最大の理由として,昨年度は体調を大きく崩してしまい,教育・研究活動を大きく進めることができなかったという点が挙げられる.アンケート実験を早期に開始し,システムを利用した実験へと繋げて行きたいと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
まず上述の人間の能力および徳に関するアンケート実験を早期に開始する必要がある.その後,差分進化などといった進化計算手法を利用した最適人材選択システムについて演算部分およびインタフェース部分を構築する.さらに,実際の企業に適用した場合への提案手法の有用性・有効性評価へと,順に研究を推進していく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
主な使用用途として,人間の能力および徳の評価に用いるアンケート実験代として使用する予定である.また,構築された最適人材選択支援システムは,その評価として実企業において適用したいと考えているため,その謝金としても使用する.また,研究成果を国内外の学会にて発表するための学会参加費および旅費としても使用していく予定である.
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