研究課題/領域番号 |
23730380
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研究機関 | 東京富士大学 |
研究代表者 |
篠崎 香織 東京富士大学, 経営学部, 准教授 (50362017)
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キーワード | 成長戦略 / M&A |
研究概要 |
成長戦略の1つのオプションとして、合併・買収は企業にとってどのような意味をもっているのかを明らかにするために、M&A非実施企業とM&A実施企業についてM&A実施前後時期の業績や研究開発費、研究開発集約度等の比較を行った。また、M&A実施企業については、M&A実施後、研究開発部門内にどのような変化があったかについて、M&Aの実施目的別(主として技術獲得および研究開発強化を目的として実施されたM&Aなのか、それ以外の目的で実施されたM&Aなのか)の分析を行った。 分析の結果、M&A実施企業の業績や研究開発費、研究開発集約度は有意差がでるほど大きな変化(増減)はなかった。この結果は、1つには実施されたM&Aが比較的小規模であることに起因すると推測できる。 研究開発部門内の変化については、技術獲得および研究開発力の強化を目的にM&Aを実施した企業では、M&A実施後間もなくして研究所や研究開発部門の整理と新たなプロジェクトの立ち上げが並行して行われていることがわかった。 M&A実施後の成果(例えば、売上高、営業利益、研究開発費、研究開発集約度)は、M&A実施1年~3年後のデータを用いて分析されることが多く、本研究でも今年度分析に使用したデータは、M&A実施後1,2年経過時点でのものであった。そのため、限定的な解釈ではあるが、「企業の実施するM&Aの半分は失敗に終わっている」という評価がある一方、本研究の分析対象である企業においては、M&Aの実施による業績低迷といった評価をするような結果にはなっていないことが明らかになった。 現状使用中のデータでの分析は、M&A実施後の業績を把握するのに限界があるため、別途企業データベースを購入し、M&A実施後から2012年3月までのデータを使って分析できるようにデータの整備を行った。その分析結果については、平成25年度に学会にて随時報告していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
購入した企業データベースを、これまで使用していたデータベースに合体させるところに時間を要したが、整備ができてからの分析は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
整備したデータベースを用いて、仮説の検証を行い、結果を随時学会の活動を通して発表する。そして、関連分野の研究者からの意見をもらい論文執筆につなげていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
分析で使用する分析ソフトおよびノートパソコンを買い替え、効率的に分析を進めていく。また、国際学会への参加および海外ジャーナルへの投稿の準備として、現行の英文校閲も行う(英訳費用、国際学会への参加費など)。
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