研究課題/領域番号 |
23730386
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
三輪 冠奈 名古屋学院大学, 商学部, 准教授 (30460546)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | インストア・マーチャンダイジング / シミュレーション / 店舗マネジメント / POSデータ |
研究概要 |
本研究は、小売店を対象として、インストア・マーチャンダイジング(ISM :In-Store Merchandising)を調査し、ISMにおけるシミュレーション分析について体系化することを目的としている。平成23年度は、次の3つの事項について研究を行った。(1)対象とする小売店の情報システムとデータの調査:最初に、ISMに関して、対象とする小売店(店長)への調査を実施した。特にISMに必要となるデータが、どのように情報システムで活用されているか調査した。さらに、情報システムから得られる既存データについて分析を行った。対象とした店舗(名古屋大学店)において開店した2007年からの約5年間のPOSデータを収集し、5年間の時系列分析を行った。(2)店内の意思決定要因の調査:次に、情報システムからは収集できないデータを収集した。これらは、顧客の動線やスタッフ業務量の調査であり、実際の店舗で調査を実施した。(1)で得られたPOSデータからは得られない情報を収集し、ISMにおいてPOSデータと店舗内の情報データを合わせて分析することを試みている。(3)シミュレーションモデルの構築:(1)や(2)で収集したデータや調査に基づき、ISMに関するシミュレーションモデルを構築した。通常、ISMの効果を測定することは困難である。よって、店舗マネジメントの効率性を考慮して、商品配置、レイアウト設計、インストアプロモーションなどと、人員配置、設備設置数の意思決定の支援システムとなるシミュレーションモデルを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画においては、平成23年度中にシミュレーションモデルの構築および分析を実施する予定であったが、平成23年度中に分析結果を得られていない状況である。その理由は、予定より過去の膨大なデータを入手することができ、そのデータ分析に時間がかかったこと、そして複雑な業務と顧客行動の調査が困難であり時間がかかったことが考えられる。しかし、データ収集は終了しているため、次年度においては研究計画どおりに研究が実施可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題に関する今後の推進方策については、以下の事項について特に重点を置くことにしている。(1)ISMのシミュレーションモデルの構築:これまでのシミュレーションモデル構築の研究を完成させる。さまざまな場面で、意思決定の支援となるシミュレーションモデルを構築する。ISMの効果と店舗マネジメントの効率性を考慮したモデルとする。また、シミュレーション分析を店舗で活用するために、結果などを理解しやすいアニメーションモデルの構築も同時に行う。(2)分析と評価:ISMの評価としてシミュレーション手法を用いることの有効性と、それを適用することによってさまざまな政策を検討し、効率的かつ効果的な評価をする手順を提唱する。(3)実際の店舗への適用:分析と評価から、最適なISMを計画し、その結果を店舗へ報告する。対象店舗で、結果の妥当性と実施の可能性について議論する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度では、引き続きシミュレーションモデルを構築し発展していく予定のため、シミュレーションソフトの利用更新料やアニメーションソフトの購入に研究費を使用する予定である。さらに、シミュレーション結果を分析し、評価するためのソフトウェアも購入予定である。 研究成果を発表においての、海外渡航、外国語論文校閲、論文投稿に関わる費用で研究費を使用する計画である。
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