研究課題/領域番号 |
23730388
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
佐伯 靖雄 立命館大学, 経営学部, 助教 (60580389)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 自動車産業 |
研究概要 |
本研究の目的は,次世代燃料車(ハイブリッド車・電気自動車)の普及がもたらす自動車産業への影響に着目し,とりわけ日本企業の垂直統合型の企業間取引関係(サプライヤー・システム)がいかに変容し初めているのか,そして競争力は維持されるのかという点を明らかにすることである。分析対象には,完成車メーカーのみならず,次世代燃料車のコア・コンピタンスとなるデバイスの供給を担う電池メーカー,そして電気系統を制御する電装部品メーカー,そして車載用半導体メーカーを含む。学術面では,大規模な技術変化と産業内の取引関係との関係性を実証すること,そして実務的には,企業の経営戦略策定に有効な示唆を提供するという点が,本研究の意義である。 この研究目的の遂行に向けて,平成23年度の研究では,次世代燃料車の市場普及状況を整理するために統計資料と先行研究の収集・分析に注力し,それら現状分析を踏まえた調査設計およびそれに基づいた企業への聞き取り調査を行った。 またこの作業に関連する内容として,平成23年3月に発生した東日本大震災での自動車産業におけるサプライ・チェーン寸断の問題にも言及し,次世代燃料車の基幹部品のひとつである電子デバイス(具体的には車載用半導体)の調達構造の問題点を明らかにする論文を1本執筆し,学会報告を2回行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究は,当初の計画通りに進行している。統計資料を含む文献の渉猟,それらの分析,そして企業調査を行うことができた。また,論文1本執筆,学会報告2回を行い,初年度の達成度としては十分な進展であると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
基本的な方法論は平成23年度を踏襲する。次世代燃料車をめぐる市場環境はめまぐるしく変化しているため,引き続き最新の情報を収集し続けると共に,平成23年度には十分調査対象に収めることができなかった自動車産業の二次,三次サプライヤーへの聞き取り調査を実施する予定である。 なお本年度の研究経過の公表については,所属する産業学会自動車産業研究会において,年度末をめどに研究報告を行う予定である。研究の進展が著しい場合は,別途ディスカッション・ペーパーを発行し,他の研究者との議論を深める。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)資料費:350,000円 次世代燃料車の市場動向に関する文献(統計資料),先行研究の書籍・論文等(2)旅費:130,000円 企業調査のための国内旅費(国内の一次,二次サプライヤーを中心に4~5回程度予定)(3)その他:20,000円 通信費,コピー費用等
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