本研究の成果は次の3点である。第1に,次世代自動車に要求される電動化・電子化と標準化といった各イノベーションの要素同士が,循環型促進の関係になっていることである。第2に,そのスパイラルアップの関係を加速させる外部環境要因が,グローバリゼーションであった。グローバリゼーションは,新興国市場での競争と,基幹部品のグローバル供給寡占化という2つの視点から見ていく必要がある。第3に,自動車のモジュラー化が明確になった今,自動車産業の盟主としての地位を堅持すべく,完成車メーカーが進める戦略的統合型選好という取り組みの帰結を観察していくことの意義である。
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