研究課題
概ね最終年度の研究計画に合わせ、企業の経営戦略及び投資家の投資戦略の関連性を分析した上で、夏には国際学会AESCS2013で発表し、学会開催後査読された結果、原稿は学会のポストプロシーディングに掲載することになった。その後、秋には社会経済システム学会で発表した。但し、参加予定の海外国際学会は日本国内で開催されるため、海外旅費は計上されず、英文論文の校正予定に関しても、査読の結果を受けて十分なレベルに達していると判断されるため、予定されている英文校正の外部委託を行わなかった。研究期間全体を通じて実施した研究の成果は、3年間の研究の集大成として、約2万字の論文を書き上げ、社会経済システム学会の機関誌『社会・経済システム』35号に投稿した。但し、掲載の可否については審査中である。この研究によって、この研究で得られた知見は以下のようにまとめられる。我々は企業経営に良い影響をもたらす株式市場を以下のようなものと考える。1.様々な投資家が存在し、投資戦略のバリエーション・多様性が富んでいて、株式市場全体がバランス良い。2.各々の企業の株価が乱高下せず、ある程度安定した推移を見せる。3.企業業績を全く投資判断基準としないテクニカル分析の投資家の比率が一定以下である。4.広義的にランダムな取引を行う個人投資家の量の増大は企業運営に良い影響をもたらす場合もある。今までに無い手法及び視点によって、企業経営に望ましい株式市場の在り方について考えたのは本研究のもっとも重要な意義であり、実際に経済社会にも貢献しうる重要なものである。さらに、同じ研究手法を用いて、シンプルな製造業だけではなく、複雑な価値連鎖モデルを用いた、例えば極めて複雑な物流構造を持つ自動車産業や全く構造が異なるデジタルコンテンツ産業の研究を期待したい。
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社会・経済システム
巻: 35 ページ: 編集中のため、未定
Agent-Based Approaches in Economic and Social Complex Systems VIII Post-Proceedings of The AESCS International Workshop 2013
巻: 8 ページ: 編集中のため、未定