研究課題/領域番号 |
23730391
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
佐藤 彰彦 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (10434789)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際経営 / 多国籍企業 / 立地論 / タイ:ラオス:ベトナム / 繊維・アパレル |
研究概要 |
現在、新興国として注目されるBRICs、NEXT11のうち約半数はアジアの国々であり、アジアは最も経済成長する地域として世界の注目を集めている。日本企業の海外立地も大きくアジアシフトをとり、これまでの中国集中から別の国にも拠点を設ける動き(チャイナプラス・ワン)を強めている。 本研究の目的は、こうしたアジアの新興国に光を当て中国を含むアジア諸国への日本企業の進出論理を立地の視点から明らかにすることである。特に次の3点にポイントを絞りながら研究を進めている。(1)企業の進出経緯、立地戦略の調査(2)各国の立地環境整理と主要な立地要因の抽出(3)日本企業のアジア立地の動きを、各国の発展と企業成長との相互作用の観点から検討し中国後の立地の方向性を導く。これらを達成するための研究方法は、主として統計データ分析と実態調査(海外・国内)である。 具体的に本年度は、4月以降に統計データ・先行研究などの資料収集を行い、7月から9月にかけて大阪市内の本社や、タイ(ナコンパトン県)、ラオス(ビエンチャン市)において現地法人、工場への訪問とヒアリング調査を実施した。これに続き、3月にはベトナム南部(ホーチミン市、ビエンホア市、ビントゥアン省)への調査を実施した。調査は全て繊維・アパレル企業を対象に実施し、シャツメーカー、紳士服製造商社、ウエディングドレス工場、肌着メーカー、カジュアル衣料工場など主に東洋経済新報社の「海外進出企業総覧」から絞り込んだ。 研究成果は、タイ・ラオスについてはひょうご震災記念21世紀研究機構での招待講演(2011年11月)において骨子を報告し、ベトナムについても論文執筆に向けデータ整理の最中である。この他、前年度の研究成果である中国研究についても論文にまとめ発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究対象であるタイ、ラオスについては、9月に洪水があったものの調査に支障をきたすことなく、順調に実施することが出来た。また、文献や資料についても順調に集められてきており、講演発表した内容と合わせて論文に上手くまとめていく。ベトナムについては、次年度の調査予定であったものを日程の都合上前倒しした為、文献・資料の収集が途上となった。このため、データ収集と整理については次年度以降順次進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
文献・資料収集や調査は、本年度に集中的に上手く実施することができた。したがって、次年度以降は、調査の成果を踏まえ必要に応じた資料収集や補足調査を実施する。また、アウトプットについては比較的発表の機会が少なかったので、上記の成果をまとめ、機をみて論文、研究会、学会など様々なルートで出来るだけ多く公表していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、海外調査を中心に実施することが出来た。ただし、国内・海外調査の裏づけとなる日本企業全体の進出傾向や特徴を把握する経年的なデータ収集については、十分には実施することができなかった。ただ、これまでに使用してきた子会社データ「海外進出企業総覧」(世界的にみても代替しえないデータ)の出版元の東洋経済新報社に問い合わせたところ、手に入れていない過去のものが約4年分あることが分かった。そこで、こうしたデータの収集などを中心にして実施していく。
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