本研究では、日本の多国籍企業の立地プロセスと企業成長をアジア地域での立地行動に求め、海外進出企業データなどの分析と日本国内外でのヒアリングによる実態調査をもとに分析した。特に、自身がこれまでの研究で用いてきた分析枠組み(生産連鎖)の視点を踏まえ、中国とASEAN諸国での立地行動や変化について重点的に検討した。その結果、中国と東南アジア諸国における立地分布と変化、即ち、中国からの移転先としての東南アジア諸国や域内での立地移動、各国・諸地域での事業内容、調達・販売構造の変化を確認できた。また、アジアでの生産連鎖、バリューチェーン形成のプロセスや中身の変化、今後の立地の方向性についても明らかにした。
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