本研究の目的は、自没体の認定するマイスター(優秀技能者)の認定制度の有効性と、認定されたマイスターの技能形成のプロセスを明らかにする点にあった。自没体マイスター制度の有効性については、当初の予想よりも制度自体を導入する自没体が多かったこと、そして先行事例となる制度をうまく活用し、より有効な制度作りが為されていたことが発見であった。マイスターの技能形成については、その技能が仕事の中でたゆまぬ向上心に裏付けられた創意工夫によって形成されていることがわかった。また技能伝承よりも「盗む」といった形で積極的な観察学習が大きな役割を果たしていることも明らかになった。
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