研究課題/領域番号 |
23730397
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研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
高木 俊雄 沖縄大学, 法経学部, 准教授 (80409482)
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キーワード | 実践としての戦略 / SaP / 制度 / 正統性 / 新制度派組織論 / 高信頼性組織 / HRO |
研究概要 |
戦略論では、2000年前後から「実践としての戦略(Strategy as Practice; SaP)」という議論が、欧州の研究コミュニティで発展を見せている。SaP とは、PoterやBarneyの理論のような経済学的な含意に留まらず、実践を通じた「人々の振る舞い(people do)」として戦略を捉えることで、経営学として独自の戦略論に関する理論基盤やレリバントな研究含意を見出す方法論を検討しようとする一連の研究群のことを指す(Johnson et al., 2007)。 しかしながら、SaP の議論は、戦略をどの位相で捉えるのかによって全く異なった研究の展開を見せる。具体的には、(1)既存の戦略論のアプローチであるプロセス論の延長としてSaP を捉える視点、(2)企業実践における規範としての制度を梃子とした戦略の視点、そして(3)企業が「戦略」という言葉を用いることでどのような実践を可能にしているのか、という視点が存在する。このことから本研究では、上述の3 つの観点からSaP を考察することで既存のSaP 研究の多様性を整理するとともに、なぜこのようなさまざまな研究視点が生じてきたのか、すなわち、(4)戦略論が戦略論の実践の中でいかにして構築されてきたのかという視点についても考察することを射程においている。 このうち、平成24年度は、(2)の「企業実践における規範としての制度を梃子とした戦略」および(3)「企業が「戦略」という言葉を用いることでどのような実践を可能にしているのか」について検討を行い、それを論文として投稿・公刊した。また、(4)に関してのインタビュー調査を行い、論文化作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成24年度に設定した課題は、理論研究、調査研究ともほぼ実施した。さらに平成25年度予定の「戦略論が戦略論の実践の中でいかにして構築されてきたのか」に関してもインタビュー調査等をすでに行っている。そのため、「当初の計画以上に進展している」といえよう。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、「研究実績」で示した(4)「戦略論が戦略論の実践の中でいかにして構築されてきたのか」について研究を進展させる予定である。 戦略論には、適切な戦略の設定こそが組織のパフォーマンスを向上させるという前提が存在している(Chandler, 1962)。つまり、研究者が用いる戦略という言説にはそもそも合理性が存在しており、それは観察者である研究者が戦略と認めることにより戦略論として成立するという考えが暗黙的に形成されている。 そのため、戦略論自体にはどのような規範が潜んでおり、そしてどのように戦略論の規範が失われていったのかについて戦略論の学説史を追うとともに研究代表者が以前から行ってきたビジネスソリューション企業、およびICT企業に対する調査を行う予定である。なお、これら対象先については、既に関係者から許可を得ており、研究を展開させる際の問題はないと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費は、主に企業へのインタビュー調査や学会発表等に関する旅費、テープ起こしの費用、先行研究等の資料購入、コピー代等の消耗品等に用いる予定である。
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