研究課題/領域番号 |
23730401
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
大北 健一 香川大学, 地域マネジメント研究科, 准教授 (60367513)
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キーワード | 家庭用テレビゲーム / プラットフォーム戦略 / プラットフォーム選択 |
研究概要 |
本年度実施した研究の具体的内容は,間接ネットワーク外部性という観点から先行研究を再調査し,家庭用テレビゲーム業界におけるソフトメーカーによるプラットフォーム選択という意思決定行動に関して実証分析の蓄積が十分ではないことを確認したもとで,これまで取り組んできたソフトメーカーによるプラットフォーム選択についての研究成果をディスカッション・ペーパー(共同論文)としてとりまとめた,と要約できる. 当該ディスカッション・ペーパーでは,1994年12月から1996年3月までの16か月間に(次世代の業界標準機をめぐる競争が激化した時期に),日本市場で発売された主要な家庭用テレビゲーム機用ソフトに関する全数調査をもとに, ソフトメーカー各社がゲームソフトを発売する際, 当該ソフトの供給先として代替的な複数のプラットフォームのなかからある特定のプラットフォームを選択する意思決定行動について,代表的な先行研究であるVenkatraman and Lee (2004)の実証分析をもとに,経済学的視点から構築された独自の仮説を実証分析した. 主要な結論の一つとして,ソフトメーカーはゲームソフトの発売先としてドミナントなプラットフォームを選択する傾向が強いということが見いだされ,それは「市場の二面性」(two-sided market)の文献で述べられている間接ネットワーク外部性の存在を示している. 次年度は,さらなる内容の改訂作業に取り組み,海外の専門誌に投稿することが課題として残されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最終的な研究成果を共同論文としてとりまとめたものの,海外の専門誌に投稿するまでには至らず,ディスカッション・ペーパーの段階にとどまったため.
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今後の研究の推進方策 |
内外の研究者からの助言を得たり,調査・研究発表等の機会を通じて,研究計画で示した個別の研究課題について最終的な研究成果を論文としてとりまとめ,海外の専門誌への投稿を試みたい.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度も,研究計画で示した特定の研究課題について,研究成果を共同論文としてとりまとめ,海外の専門誌への投稿を試みることに主眼をおいたため(【現在までの達成度】で記載したように,海外の専門誌に投稿するまでには至らず,ディスカッション・ペーパーの段階にとどまったが),国内の主要な図書館における資料収集の実施(国内出張)を重視した.ただし,「収支状況報告書」の「次年度使用額」が若干生じることとなった. 翌年度以降に請求する研究費と合わせた使用計画については,当該ディスカッション・ペーパーを海外の専門誌へ投稿するために不可欠なさらなる国内での資料収集の実施と,調査・研究発表等を目的とする外国出張を計画している.
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